子供は風の子
体は野生的、頭脳は文明人、幼児は訓生と文明が同居している「生命力」が原動力となって逞しい人間へと成長する存在が、これが当保育園における幼児の基本的な見方である。
2.体は野生的にとは、子どもを自然に帰すことである。これは裸を意味している。
3.頭脳、即ち人間の能力についての教育は、脳科学を初めとする学捺的な幼児教育に関する知見の教えるところの理念に従って行う。
4.幼児期の頭脳はあらゆる好ましい環境、豊富な刺激に敏感に反応適応よって成長発達する。この幼児期にとって「最善の環境」を与えるその大切な環境のーつがはだか、裸足である。
5.体力は鍛えられて、頭脳は環境の刺激によって、心は行うことによって育つものと考える。
6.当園は、1985年4月より全面的はだか・裸足保育を実践。
7.但し、風邪や病気の場合はその限りではなく、自分の判断で着衣のままでよい。
8.毎年、最初裸保育に対して父母は、不安を示すがー学期にしてほとんど不安解消する。
9.園児たちは忽ち裸党となり、「裸のほうがいい」と喜ぶ。
10.学年終わりに11月より2月末まで裸で通した子どもに裸賞を与える。
11.新入園児は裸教育を見学して入園しているので、既にその心構えは出来ている。4月当初から裸になることに違和感を示さない。
12.毎日朝一番、20分間程、全園児が一斉に運動を展開。これを体育ローテーションと呼ぶ。
13.種目は種々の運動器具を使って子どもの遊びの中の諸要素を取り入れて実施する。走る・這う・転がる・跳ねる・飛ぶ・歩く・投げる・受ける・等々。器具は、マット一飛び箱(大・小)一大ボール・平均台一フラフープ・鉄棒・トランポリン・パカパカ・縄・ブリッジ・等々
14.裸・裸足保育に三つの期待をかけた。
(ア)裸が子どもの健康にどのように影響するか。
(イ)裸の生活は子どもの心理・情緒にどのような変化を与えるか。
(ウ)親の過保護から子どもを解放できるか。
15.二年にしては満足の得られる三つの答えが出た。
(ア)は、健康に付随するあらゆる能力がぐんぐん伸びた。
(イ)は、情緒的にも開放的で、寛容であり明朗闊達な性格が表れた。
(ウ)は、母親の無益な保護を必要としない心と体になった。むしろ母親が子共から開放された感が強い。
16.裸になると体を動かしたくなる。裸と運動は不離一体である、子供は実践し証明してくれた。
17.病気に対する抵抗力が出来た。病気をしても回復が早くなった。
18.風邪をひかなくなった。小児喘息が治ったなどの予期にないことが起きた。
19.頭を使う時であるから運動は控えたほうがよいというのは間違いである。幼児の運動は脳中枢に敏感にはねかえり、神経活動を活発化させる。 20.体の丈夫な子は、頭の動きも活発であるといえる。
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